cafe chotto視点でおおくりする福井の観光穴場情報や
奥越、永平寺町などの催しのご案内。
<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 泰澄さんツアー | main | ハピリンにお能を見に行きませんか!? >>
福井市立郷土歴史博物館「福井の仏像」展に寄せて

 

福井で車を走らせていると、こんな風景が続きます。

空・山・田んぼ・川・・・行けども行けどもコンビニひとつありません。

ぼーーっと車窓を眺めながら、

「福井ってつくづく、何にもないところだなあ」なんて思ったりしませんでしょうか。

 

 

 

あまりにも何もなさすぎて

もしかして、あの山の頂上なんかにやんごとない神像が祀られていたりして?!

なんて、妄想を膨らませたりしませんか?

 

 

でも

「ポケモンGO」でもあるまいし、そんなわけないよね・・

なんて、思ったりしてませんか?

 

・・しませんかね^^;

 

 

実は、それがあるんですよ!!っていうのが今回のご紹介^^

 

 

例えば

 

こちらの山並み、なんの変哲もありませんが・・

昔、道元禅師が永平寺に向かうまでに立ち寄られた「波着寺」があった福井市内の地区です。

波着観音という観音像もあったと伝承に残っています。

一向一揆の戦禍にまぎれて行方知れずになりました。

 

 

こちらの山は永平寺町松岡吉野の吉野岳。

泰澄大師が開山したと伝えられて

昔は大きな寺院もあったのですが、やはり一向一揆で焼かれてしまいました。

山頂には泰澄大師作と伝えられる十一面観音像、

彩色の美しい蔵王権現、毘沙門天、聖観音菩薩像が。

南北朝の争乱の時代には、後醍醐天皇の息子の尊良親王が落ち延びてきたという伝承も残っています。

吉野、蔵王権現、後醍醐天皇・・と、奈良の吉野との関係も気になる地区です。

 

 

次も永平寺町の山並み。

こちらは昔、「浄法寺」という七堂伽藍の真言宗のお寺があったそうです。こちらも一向一揆の焼き討ちにあいました。

 

次に、こちらの山間では

 

昔、こんな素敵な如意輪観音像がいらっしゃったそうです。

 

盗難にあって、今はいらっしゃらないのですが・・・

とても美しい観音様です。

 

 

お次はこちら

 

住所は伏せておきますが、このあたりの田んぼの字を「八幡」というそうです。

八幡というと神社や神様の名前です。

 

一見ふつうの田んぼなんですけど・・

 

そしてこちらの坂道を

「八幡坂」というんだそうです。

 

なんの変哲もない坂道ですが、昔話も残っています。

夢のお告げでここから現れる牛の後をついてゆけというので

実際牛が現れて、後をついてゆくと奈良の賀茂にたどりつき、

そこで牛が飲んだ水でお酒を造ってお金持ちになったという「賀茂の長者」のお話しです。

 

おもしろいですね^^

ここに小さなお地蔵様があり

 

 

この地面の下にその昔、

こちらの仏像が埋められていたそうです。

 

包帯でぐるぐる巻きにされて埋まっていたそうです。

 

 

今この仏像は、こちらの浄土真宗の道場に安置されています。

 

道場は福井の奥越にはよくある、お寺の小さい版みたいなものなのですが

以前、こちらの仏壇を見たときに、あれ?かわった阿弥陀様だなあと思って

由来を聞いたら、そういうお話があったのです。

真宗のお寺さんや道場では普通

もっと小さい厨子の中に金色の阿弥陀如来像かおかれているか掛軸がかけられているのですが

こちらの阿弥陀様は規格外の大きさと感じたのです。

 

 

掘り起こされた阿弥陀様のために、厨子も大きさを合わせて作られたそう。

許可をいただいて近くに上がらせていただいて撮影させていただきました。

 

 

美しい彫刻だなあと思います。

お顔もおだやかで。

 

この阿弥陀様が埋められたのがいつのことかはわかりません。

もとはどこにあったのかも。

お話しでは、こちらの道場ができたときから安置されていたから

戦国時代の一向一揆のときに埋められたものを掘り出したのだろうということでしたが

あるいは明治の廃仏棄釈のときに埋められたのかもしれません。

口承のことなので実際のことはわからないのです。

 

この道場の近くの山の頂上にも仏像があり、

その体内には白山から持ち帰られた木像が埋められているのだそう。

 

世の中が、一向一揆だったり廃仏棄釈だったりしても

この地区では阿弥陀様も白山の神様も

大切に守られてきて、今もこんなふうに無事残っています。

 

 

福井ではこんな仏様があちこちにひっそりと残っているのではないでしょうか。

 

 

皆様のお住いの近所にもこんなお話がいっぱいあるのだと思います。

 

 

 

廃仏棄釈のときは、日本全国でたくさんの仏像が破壊されました。

先日テレビ番組でも特集されていましたが、破壊された像や寺院は百万件にものぼるとか。

 

以前ご紹介した平泉寺でも破壊された石仏がたくさんありました。

 

 

地元に今でも残っている仏様たちというのは

その仏様をずっとお守りしてきた地元の人たちの純粋な信仰心の証し。

 

世の中の流れに惑わされずに一途に信仰を守りつづける福井の人の姿って

福井の誇りだと思います。

 

 

現代まで守り継がれてきた福井の仏様たち

特に福井平野部の、平安時代に造られたという歴史の深い仏様たちが一同に会する展示が

福井市立郷土歴史博物館で催されています!

 

ブロガー向けの内覧会に参加してまいりました!

普通、お寺でも博物館展示でも仏様の写真撮影はできないのですが

内覧会だけは許されるのです!!

 

 

 

 

たくさんの仏様が集結!

図録だとサイズ感が分からなくなるので案外こういう画像が貴重になります。

 

 

そしてたくさんのブロガーさんも集結!

富山からいらっしゃったという方ともお話ししました^^

 

 

「福井の仏像」展に出展された仏様のお住まいの分布図を作ってみました!

それとそのほかわかる範囲の仏像分布も。

こんなにあちこちにあるんですね!

ご自宅の近所の仏像さんもいらっしゃってそうでしょうか?

 

 

店主は奥越のほうのお寺さんならなんとか土地勘もあるので訪問することもできますが

福井市や鯖江市や越前市や越前町は難しい!

 

こうした仏様を拝観させていただくには普通、

事前にその仏様の安置所を管理されている方に連絡をとらなければいけないし

その管理者の方もお寺の方とは限らないと思います。

都会みたいに受付で拝観料払ったら誰でも拝観できるような形で整備されているようなことはありません。

御開帳の日が決まっているなら、その日めがけて行かなければならないし

17年に一度、33年に一度しか開帳されない仏様も多いのです。

 

ある朝突然行ってみようと思い立って、突撃しても拝観はかないません。

相当の準備がいるのです。

 

この「福井の仏像」展が大変貴重な展示ということがお分かりいただけるでしょうか?

 

 

では、実際展示のほうから、特に店主のお気に入りをご紹介しましょう!

福井市滝波町の五智如来像。11〜12世紀の作。越知山のお近くです。

こちらも一向一揆の戦禍を受け、焼かれてしまう前に谷へ放り投げて助けられた像だそうです。

谷は「ほらが谷」と地名もついているのだそう。

 

横顔の表情もお楽しみください〜^^

正面からのお顔は神々しいのに、横顔はなんだか親しみやすい気がします。

 

 

鯖江市川島町加多志波神社の聖観音立像。

10世紀の古い像で、古い像はこういう肉厚な風なんだそうです。

chottoは大きい仏像より、こんなくらいのちょっと小さめの仏像が好みです。

 

 

越前市領家町八幡神社の聖観音立像。11世紀。

河和田と今立のあいだあたりの仏様です。

眉や鼻の形がエキゾチックです。

 

こちらはわれらが永平寺町松岡の天龍寺からの聖観音立像。12世紀。

御像さん祭りのときに拝観させていただいておりました。

観音様はこうでなくっちゃという柳腰のほっそり感!

好きです^///^

 

 

越前市余川町の千手観音立像。10世紀作。

ナイフビレッジのあるところですね!

ナイフビレッジを意識してしまうせいか^^;

この千手の手の彫りの鋭さ・・・

いい刃物使ったんやろなって思ってしまう・笑

持ってる武具もするどいですよね〜

千手観音が搬出で一番大変と学芸員さんがおっしゃってましたが

さもありなん・・ですね!!!

 

 

次は

行ってみたいなあと思っていた

福井市二上町観音堂から

多聞天と広目天。

越前五山文殊山のふもとです。

十一面観音像は33年に一度の御開帳の秘仏なので

お写真だけ・・

今度の御開帳は平成35年なんだそうです。。。

 

越前市大滝町の虚空菩薩坐像。

和紙の里公園、大滝神社のあるところですね。

さすがに歴史が深くて

出展中最古の仏像で9世紀のものだそうです。

 

 

自分の好きなアングルから撮れるっていいですね・・・。

こちらの虚空菩薩さんは非常なハンサムで、どこから見てもかっこよいのです。

 

 

 

 

越前町天王八坂神社の十一面女神像。12世紀。

こちらは、前回の記事で紹介させていただいた福通寺さんや大谷寺さんの近く。

さすがに越知山は泰澄さんの修行の地で入寂の地でもあって

ものすごい仏像が多いのですね・・・。。。

白山の神様は十一面観音であり、白山姫でもあります。

白山姫が十一面観音になってしまっているという像です。

 

神像と観音像が一体になっているのは

国内でもこの一体しかないそうです。

 

 

お美しいです。。。

 

 

背中からも見ることのできる展示なので

十一面観音像が背中も見れるときは必ず!

頭部に並ぶ顔の表情に注目してください。

 

十一面観音の十一面は

慈悲相、しん怒相、白牙上出相が三面ずつあり、

さらに暴悪大笑相が一面

そのすべての頂上に如来相があるそうです。

 

暴悪大笑相というのは

ちょっと不気味で、どうしてこんな表情が観音様に?ということが謎を呼ぶのですが

後頭部にあることが多いようで

正面向いての陳列の場合は見ることができません。

 

最後は・・泰澄様^^

 

泰澄像ではこのお像が一番好きかもしれません!

無垢なお顔です。

こちらも前回の記事でご案内した泰澄寺にいらっしゃったお像だそうです^^

 

 

 

 

長くなりましたが、福井の平安仏・・いかがでしたでしょうか!

お近くの仏像さん、いらっしゃったでしょうか?

 

住所を見ながら、あらこんなところにこんな厳かな仏様がいらっしゃるのか〜と思うと

福井の歴史の深さ、豊かさをよく味わえるのではないかと思います!!

 

 

昨今は、パワースポット巡りと称して寺社仏閣を回られる方も多いようですが

パワーをいただいたり癒しをいただいたり・・そういうこともあるのだろうとは思いますが

chottoは、歴史を知って、その歴史があってこそ今の日本に続いていて、今の自分があり、これからの自分がある。

そういう風に知識を文字や体験で吸収していくことが何より

自分の自信になったり、誇りになったり、力になったりするように感じています。

 

皆さんにも「福井の仏像」展でそんな風に感じていただけたらな。

 

 

ぜひぜひ「福井の仏像」展お出かけください\(^o^)/